Content コンテンツ

大人のADHD(発達障害)どんな症状が出るの?

もしかしたら、自分はADHDかもしれない?と感じている方や、実際に診断された方の中には、どれが症状なのかよくわからないまま、生きづらさだけを抱えて過ごされている方もいます。

大人のADHDの症状とその対処法について、ぜひご参考にしてください。

ADHD(発達障害)について

ADHDとは、注意欠如・多動性障害と言われている発達障害の一つです。
脳の機能の発達や成熟にかたよりがあることが原因だとされていますが、先天的な発達の凸凹の強さのため根本的に治すことより、ご自身の特性を理解した生き方や周囲の関り、環境が大切だとされています。困りごとの対処法を身に着けたり、家族や友人、職場などに特性を理解して受け入れてもらうことで、特性を長所として伸ばしていく事ができます。以前は、ADHDは子どもの発達障害とされていましたが、大人になってから仕事や対人関係の困りごとが増えて気づくケースが増えてきたことから、大人の発達障害についての認知度が高まりました。また、うつ病や適応障害などの二次障害が出たことで精神科に受診し、ADHDなどの発達障害がベースにあることに気づくケースも増えてきています。

「多動性」に関連した症状

「多動性」は、成長とともにコントロールできるようになってくると言われています。
ただ、じっと座っていなければならない場面が苦手だったり、色々な情報を拾って頭の中であれこれ考えて本来考えるべきことからそれてしまうなどの症状は残るとされています。例えば、何か落ち着かない感じ、居心地が悪く感じるなど、一つの場所にいることに困難を感じたり、長居ができないことがあります。
そのため、仕事をしていても、頻回にオフィスの席を立ち部屋を出たり、会議や研修会などの場に留まり続ける事ができない、または苦痛を強く感じることがあります。
また、休日においても、静かに遊ぶようなやり方や余暇活動につくことができない場合があります。長時間じっとしているようなものも苦手だったり、おしゃべりが止まらないなど子どもの時と同じような様子がしばしば出てくることもあります。
静かに待っているような場面においても、手足をそわそわ動かしたり、机をトントン叩いたり、椅子の上でもじもじするなど、身体に刺激を常に加えていることもあります。

「多動性」を活かした対処法について

・思いっきり身体を動かすスポーツ
・何か好きなことに集中してできる趣味を行うこと
・自然環境の中で変化を楽しむこと
・思いついたことをすぐ行動できるような環境に身を置くこと
・音がしても問題ない場所で過ごすこと
以上ように、行動が制限されにくいものや環境に身を置くことでストレスを軽減し、日常生活でのコントロールを可能にしていく事が大切かと考えます。

「衝動性」に関連した症状

「衝動性」も「多動性」と同様、成長とともに、ある程度コントロールできるようになってくると言われています。
ただ、「自制がきかない」という形で、色々な問題を起こす可能性もあります。例えば、会話の場面で必要以上に他者の発言に割り込んで、その終了を待たずに話し込んでしまうことがあるなど、自分が話したい衝動が高まった時のコントロールが効かないことがあります。相手は会話を譲ってくれるかもしれませんが、途中で中断されたような寂しさを感じているかもしれません。
また、他の人が行っている仕事を割って入ったり、取り上げたりすることも、衝動性が抑えきれないため起きることもあります。職場でこれが起きると、それぞれのペースを守れなくてチームとしての力が発揮できなくなってしまったり、パワハラとして捉えられてしまったり、ご自身の立場や居場所を失ってしまうことにもつながりかねません。

「衝動性」をいかした対処法について

・行動力や実行力が必要な環境に身を置くこと
・アイデアやひらめきを仕事にしていくこと
・判断を保留せずに素早く結論を出すこと
・独自の発想と直観力を使った工夫をすること
以上のように、決断力やスピードを大切にし、日々の生活や仕事に生かせるような工夫を独自の発想で楽しんでいく事が大切かと考えます。

「不注意」に関連した症状

「不注意」の症状としては、子どもの時と同じような症状として捉えられます。しかし、中高生以前の子ども時代に比べると、「不注意」によってケアレスミスを犯しやすい自分に対する違和感を抱える事が多くなります。それによって自尊心を低下させていくということが起きてきます。
症状としては、例えば、仕事がずさんになってしまうこと、時間管理が苦手なこと、すぐに気が散って集中がしにくいこと、忘れっぽい、忘れ物が多いことが挙げられます。
締め切りなどがある仕事の場合、期限に間に合わなかったり、最後までやり遂げられなかったすることもあるかもしれません。また、書類を完成させることや、長い文章を検討することが苦手な方も多いです。一通りできても、ケアレスミスが目立ったり、苦痛が多かったり、非常に苦労される場合もあります。

「不注意」を活かした対処法

・メモをしたり、紙に書いて見やすいところに貼ったりなど忘れにくいような工夫をする
・ダブルチェック、トリプルチェックなど他の人にも協力してもらう
・時間に余裕を持たせて、予定を詰め込まないようにする
・ミスは素直に認め、しっかり謝罪できるような人間関係の構築に励む
・大事なものは持ち歩かない
以上のように、穏やかな心で取り組める人間関係や共同作業ができる環境づくりが大切かと考えます。

まとめ

大人のADHDの症状について、いかがだったでしょうか?ご自身はその特性について子どものころから悩まれたり、周りに理解されなかったり、自尊心が傷つく体験も多かったかと思います。個性とするか、障害とするかは、本人の努力だけではなく、周りの理解や協力が必要になります。特性を長所として生かせるように、自分を客観的に見てもらったり、困りごとに対して何ができるのかを一緒に考えてもらったりできるような環境では、自分が思っている以上の力を発揮し、社会貢献につながっていく事も多くあります。
自分を大切にしながら、周りの人間関係を大切にしながら、理解と共同を深める体験を沢山していかれるといいかと思います。